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交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「車道を歩行する歩行者×車」での過失割合と加算要素と減算要素です。
車道を歩行する歩行者×車の過失割合
状況
歩行者 | 車 | 歩行者の過失割合 |
---|---|---|
車道側端を歩行する歩行者 | 車道通行 | 20% |
車道側端以外を歩行する歩行者 | 車道通行 | 30% |
解説
歩道と車道が区別された道路の場合は、当然ですが車は車道を通行し、歩行者は歩道を通行しなければなりません。
しかし、工事中や堆積土があるなど、歩道側の通行ができない場合には、歩行者の車道通行が認められています。この場合の過失割合は10%程度です。
一方、何の理由もなく歩行者が車道を歩行して事故を起こしてしまった場合には、車道通行が認められている状態と比較して過失割合が高くなります。車道の端っこを歩いての事故であれば20%、それ以外の車道の真ん中を歩いての事故であれば30%という形です。
飲酒や悪ふざけで車道側を歩いてしまうと、車は事故を起こしやすくなってしまうため、歩行者の過失割合が大きくなるのです。
車道を歩行する歩行者×車×車の加算要素と減算要素
加算要素(最大+10%)
- 夜間
- 幹線道路
- ふらふら歩き(許可された車両の場合)
減算要素(最大-20%)
- 児童・高齢者
- 幼児・身体障害者など
- 集団横断
- 車の著しい過失(脇見運転、酒気帯び運転、携帯電話使用、ハンドル・ブレーキの不適切操作、時速15km以上30km未満の速度違反)
- 車の重過失(居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反)
まとめ
歩車道の区別がある道路では、歩行者は工事中や堆積土で歩道を歩けない場合を除けば、車道を歩いてはいけません。
そもそも、歩道があるのに理由もなく、車道を歩く必要性はないはずなのです。それにもかかわらず車道を歩いて事故を起こした場合は、歩行者の過失割合が大きくなるのは当然の設定と言えます。