目次
当事者間の示談交渉不成立時の選択肢
- 交通事故紛争処理機関への相談(示談の斡旋)
- 裁判所で調停
- 裁判所で訴訟
の3つが選択肢になります。
1.交通事故紛争処理機関への相談(示談の斡旋)
当事者間で示談交渉が上手く進まない場合には、第三者に仲介してもらうことが解決の第一歩です。当然、第三者というのは保険会社や弁護士など被害者、加害者双方に有利なパートナーでないことが望ましいのです。
ここで登場する選択肢が「交通事故紛争処理機関」です。
「交通事故紛争処理機関」では、
- 電話相談
- 面談での相談
- 示談の斡旋
- 示談書の作成
- 弁護士の紹介
などを依頼することが可能です。「交通事故紛争処理機関」に相談したうえで、弁護士を紹介してもらって再度示談交渉を成立させる形を取ります。
代表的な交通事故紛争処理機関
日弁連交通事故相談センター
日弁連によって設立された交通事故を専門に扱う財団法人です。電話や面談による相談が可能です。ただし、日弁連は弁護士及び弁護士法人を監督するための組織ですので、弁護士を紹介して解決するという形になりやすい特徴があります。全国127か所と設置個所が多いので、相談はしやすいでしょう。
全国の設置個所数:127か所
電話相談:○
面談での相談:○
示談の斡旋:△
示談書の作成:×
日弁連交通事故相談センターはこちら
交通事故紛争処理センター
交通事故紛争処理センターは、弁護士が所属する財団法人で、面談での相談が無料で可能です。示談書の作成の依頼なども対応できます。電話相談はできません。
全国の設置個所数:10か所
電話相談:×
面談での相談:○
示談の斡旋:○
示談書の作成:○
交通事故紛争処理センターはこちら
紛争解決センター
日弁連に所属する弁護士会によって全国20カ所に設置されています。電話相談はできません。
全国の設置個所数:20か所
電話相談:×
面談での相談:○
示談の斡旋:○
示談書の作成:○
紛争解決センターはこちら
2.裁判所で調停
弁護士などの専門家が入っても、示談交渉がまとまらない場合には、本当に第三者であり、公的機関である裁判所に調停を申し立てます。
調停では当事者の主張を裁判官と調停委員がヒアリングした上で、双方が納得できる妥協点を話し合います。
プロセスとしては示談交渉と変わりませんが、間に入るのが弁護士や保険会社ではなく、裁判官というこれ以上公正な第三者はいない状況で行われるため、示談交渉では納得できなかった方でも調停での話し合いは上手くいくケースも少なくないのです。
しかし、これも妥協点を話し合いで解決するプロセスは示談交渉と変わりがありませんので、お互いの要求にかい離が大きく、どちらも歩み寄らないというときには調停も不成立となるのです。
3.裁判所で訴訟
弁護士に依頼しても、示談不成立
裁判官に聞いてもらっても、示談不成立
・・・
という場合に最後に残された方法が「訴訟(裁判)」です。
裁判になれば、判決という強制力を持った結果が出てくるので、否が応でも解決します。
しかし、裁判は「時間と労力」がかかる選択肢なので、最後の切り札として使うべきものなのです。
当事者が訴訟を起こす場合には
- 訴状や書類の準備
- 立証のための証拠集め
- 口頭弁論
・・・
など色々な作業が発生するため、当事者本人のみでも訴訟をすること自体はかのうですが、現実的には弁護士に依頼して訴訟してもらう必要があります。
交通事故に強い弁護士事務所に依頼することで、被害者の損害賠償額を増額させられる可能性が高まるのです。弁護士の良し悪しによって、ノウハウの有無によって、判決の結果は変わってきます。
訴訟は判決に行く前に「裁判上の和解」という和解案を採用するケースもあります。「このままお互い裁判を続けても、時間とコストがお互いに損をしてしまうので、ここらへんで和解しませんか?」と裁判所が仲介してくれるということです。
まとめ
示談交渉が不成立になった場合には
- 交通事故紛争処理機関への相談(示談の斡旋)
- 裁判所で調停
- 裁判所で訴訟
という選択肢があります。
方法に違いはあれど、「訴訟の結果判決がでる」というもの以外は結局、お互いの妥協ラインを探って、合意するというプロセスになるのです。
どちらかというと、示談交渉が不成立にならないように要望は明確に伝えながらも、冷静に話し合いをするということが非常に重要なのです。
示談交渉の初期段階から、交通事故に強い弁護士事務所に入ってもらうことで、早期解決と損害賠償額の増額が勝ち取れる可能性が高まります。