memo128_128交通事故の損害賠償請求における示談交渉では、合意して示談書を交わしたとしても、この段階では法的拘束力を持ちません。示談書は作成したら、公正証書にする必要があるのです。

示談書の法的拘束力とは

交通事故の示談交渉では

被害者側

  • 賠償金の金額
  • 賠償金の受取方法
  • 賠償金の支払い期限

加害者側

  • 賠償金の支払い額
  • 賠償金の支払方法
  • 賠償金の支払い期限

で合意した場合に、それを書面「示談書」という形にして、捺印の上、双方が保管する形を取ります。

しかし、これは私的な和解契約であって、強制執行する法的拘束力は持たないのです。

強制執行とは

相手から強制的に財産を取り上げ、債権回収を行ってしまう手続きのこと

です。損害賠償金の支払い額や支払方法、支払期日に同意したのにも関わらずに、期日までに支払いがない場合に強制的に財産を差押えして、回収する手続きのことを意味します。

強制執行は裁判所が決定して行う手続きになるため、私的な和解契約の「示談書」だけでは実行できないのです。

詳しく説明すると、和解契約の「示談書」だけでも、これを証拠として裁判を起こして、判決を出してもらい、その判決書をもとに強制執行ができるようになります。

しかし、これでは時間も体力も使ってしまいます。

そこで使われるのが「公正証書」という方法で、示談書を公正証書にしておくと、相手が違反した場合に、裁判を起こさずに強制執行が可能になるのです。

公正証書とは

公正証書とは、公証人という公務員が作成した公文書なので証拠力が高く、差押え(強制執行)ができるメリットがあります。

さらに公正証書を作成する場合は、事前に公証人が法律違反がないかをチェックしてくれます。そのため、公正証書にしおけば、「法律や公序良俗に反する」ことが理由で示談が無効になるケースがほぼ起こらないで済むのです。

示談書を公正証書にする方法

  1. 示談書の原案を作成する
  2. 示談書の中に「強制執行の認諾条項」を入れる
  3. 加害者と被害者の双方で公証人役場に「本人確認書類」「印鑑証明書」「実印」「示談書の原案」を持って行く
  4. 公証人役場で示談書作成を依頼する
  5. 疑問点などを補充して質問した後で公正証書を作成してくれる
  6. 指示された箇所に署名押印する
  7. 正本1通と謄本1通が交付される
  8. 被害者側が正本を保管する(※強制執行は正本でないとできません。)

保険会社が示談交渉相手の場合は公正証書は必要ない

基本的に前述した公正証書が必要なケースというのが、示談交渉の相手である加害者側が保険会社以外であるケースです。

交渉相手が保険会社であれば、ほぼ確実に保険会社が用意する示談書に署名、押印しておけば損害賠償金が支払われるからです。

万が一にでも、「示談が成立したのに損害賠償金が支払われない保険会社」と噂がたってしまったら、経営へのダメージが大きすぎるため、示談交渉相手が保険会社の場合は、公正証書を作らなくても、ほぼ確実に支払いが行われるのです。

まとめ

示談書は公正証書にしておくことで、損害賠償金の支払いが期日に行われなかった場合に速やかに強制執行することができるのです。

公正証書を作成する場合は、失敗しないためにも事前に弁護士や司法書士にに相談し、専門家に公正証書原案(合意書)の作成を依頼してから、公正証書の作成に臨むことが重要です。

書類の不備があって、強制執行ができないとなっては目も当てられません。