book2128_128交通事故の損害賠償請求を考えるにあたって、避けて通れないのが「示談」というものです。なんとなく、示談のイメージを持っている方も多いかと思いますが、正確に理解しておかないと思わぬ損をしてしまう可能性があります。今回は「示談とは」について解説します。

示談とは

法律的な紛争を抱えている当事者同士が、お互いに話し合って解決すること

を意味します。

交通事故の損害賠償請求における示談とは

交通事故の被害者と加害者が話し合い、事故による損害賠償を解決すること

を意味します。

交通事故を起こした加害者は

  1. 刑事上の責任(刑法に定められた懲役刑、禁錮刑、罰金刑)
  2. 行政上の責任(道交法違反による免許停止、免許取り消し)
  3. 民事上の責任(自賠法、民法に基づき損害を賠償する責任を負う)

と3つの責任が発生します。

この中で民事上の責任である損害賠償に関しては、裁判所を介さない話し合いによって、解決することができるのです。

交通事故では、95%~98%が示談によって解決されているのです。

話し合いでの解決とは?

示談をする場合には

交通事故による治療費、慰謝料、遺失利益などの損害を金銭に換算して、その金額や支払方法に双方が納得できた場合に示談にすることができます。

被害者が「その損害額では納得できない。もっともらっていいはずだ。」と思えば、示談は成立しません。
加害者が「そんなに損害賠償額は大きくないはずだ。もっと減らしたい。」と思えば、示談は成立しません。

双方が納得できない場合には、裁判所による調停や民事訴訟などで解決することになるのです。

双方が示談の内容に納得した場合に示談書を作成します。

示談書というのは

加害者が被害者に対して○○円の賠償金を支払うことを約束して、被害者はその金額で納得したことを証明する「契約書」のことです。

示談書は契約書ですので、双方が捺印をし、一通ずつお互いに保管することになります。

示談書は自動車保険金の請求にも使う重要な書類なのです。

示談は一旦成立すると覆せない!

もっとも注意しなければならないのは「示談」を交わした後は、「よくよく考えてみると納得できない。」と言っても、後の祭りです。

やりなおせないのです。

後から示談当時とは違う、事実関係が発覚したとしても、やりなおせません。示談をする時には慎重さが求められるということです。

示談は口頭でも成立してしまう!

示談書というのは契約書ですから、法的な拘束力がありますが・・・

口頭で「この内容で示談成立でいいですよ。」と言ってしまったとしても、示談は成立してしまうのです。

当然、この口約束は相手方と2人きりで話していて証明する証人や録音がなければ、契約があったということ自体を証明できないのですが、録音や証人がいたら、口約束でも契約は成立してしまうのです。

これは交通事故の損害賠償請求に限った話ではありません。法律上は口頭での契約も有効とされているのです。

示談の交渉相手は保険会社!

被害者と加害者が話し合いをするのが示談交渉ですが、ほとんどのケースでは加害者の代理人として自動車保険の保険会社の担当者が示談交渉を行います。

自動車保険に入っていれば、ほとんどの場合、示談交渉代行サービスが付いているからです。

被害者の側から見ると、こちらは素人なのに相手は示談交渉のプロということになってしまいます。

保険会社の示談交渉担当者は、損害賠償額を安く言いくるめるプロだと思ってください。

だからこそ、被害者側も交渉のプロであり、損害賠償額を高く設定できる弁護士に依頼すべきなのです。

まとめ

示談交渉というのは

被害者と加害者が話し合いによって損害賠償の解決を図る行為

です。

交通事故の損害賠償では、95%以上が示談によって解決しています。

注意しなければならないのは

  • 示談は一旦成立してしまうとやり直しがデイないこと
  • 被害者が交渉するのは保険会社の示談交渉のプロフェッショナルだということ

です。

被害者も対等に示談交渉をすすめるには交渉のプロである弁護士に依頼すべきなのです。

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