calculation128_128交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「信号機のない交差点の直進車×交差点進入の右折車」での過失割合と加算要素と減算要素です。

信号機のない交差点の直進車×交差点進入の右折車の過失割合

状況

状況車A車B車Aの過失割合車Bの過失割合
信号機のない交差点の事故広路通行狭路から広路へ20%80%
信号機のない交差点の事故狭路通行広路から狭路へ対向右折60%40%
信号機のない交差点の事故狭路通行広路から狭路へ同一方向右折55%45%

解説

信号のない交差点の場合、広い道路と狭い道路の車では「広い道路(広路)」が優先になります。

また、直進車と左右から交差点に進入して来る右折車との衝突事故の場合は「直進車」が優先になります。

つまり、例1の車Bが右折して狭路から広路へ入るときに事故を起こしてしまうと過失割合は80%と高くなってしまうのです。

広路側がの車両が右折するときは、「広路優先」「直進車優先」が相殺されるので50%に近い過失割合になるのです。

また、同一方向で右折するときの事故の方が右折車の過失割合がやや大きくなります。確認できる可能性が高いからです。

 

信号機のない交差点の直進車×交差点進入の右折車の加算要素と減算要素

Aに対する加算要素(最大+20%)

  • Aの著しい過失
  • Aの重過失
  • Aが15km以上の速度違反
  • Aが30km以上の速度違反
  • Bの既右折(右折車がすでに右折を完了しているか、どれに近い状態)
  • Aが減速せず
  • Bのあきからな先入

Aに対する減算要素(最大-20%)

  • Bの徐行なし
  • Bの早回り右折(交差点の中心の内側を通らない右折)
  • Bの右折禁止違反
  • Bの著しい過失
  • Bの重過失

まとめ

信号機がない交差点では

  • 広路優先
  • 直進車優先

が原則となります。どちらも優先していない場合は、二重で過失割合のマイナス評価になってしまうため、不利な過失割合が設定されます。優先される方を常に意識しておく必要があるのです。