calculation128_128交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「直進車×直進車 」での過失割合と加算要素と減算要素です。

直進車×直進車の過失割合

状況

状況直進車A直進車B車Aの過失割合車Bの過失割合
直進車同士の事故0%100%
直進車同士の事故20%80%
直進車同士の事故50%50%

解説

直進車同士の信号機のある交差点では、信号機の指示に従って通行しなければなりません。

そのため、信号機のある交差点での直進車同士の事故による過失割合というのは「どちらの信号が何色を示していたのか?」という点が非常に大きなウェイトを占めるのです。

信号無視、つまり赤信号で交差点に侵入して事故を起こした方が100%の過失割合になるのです。

ただし、相手方の信号機の色によっても、過失割合は変わってきます。相手方が黄色信号であれば20%分は相手も悪いことになりますし、両者ともに赤信号であった場合には過失割合はお互いに50%という判断になるのです。

直進車×直進車の加算要素と減算要素

Aに対する加算要素(最大+20%)

  • Aに過失がある
  • Bの明らかな先入
  • Aの赤信号直前進入
  • 衝突時のBの信号が青
  • Aの著しい過失
  • Aの重過失

Aに対する減算要素(最大-10%)

  • Bの著しい過失
  • Bの重過失

まとめ

信号機のある交差点での直進車同士の事故では、進入時の信号機の色によって、過失割合が決まってきます。事故の状況によって、-10%~+20%の加算、減算はあるものの、信号機の色のウェイトが非常に大きいのです。

また、Aに対する加算要素には「Bの明らかな先入」というものがありますが、これはBが赤信号で進入していた場合でも、Aが進入する前にすでにBが交差点内にいることが明らかな場合には「避けることができた。」としてAが青信号であっても、過失割合が加算されてしまうのです。

歩行者の信号無視よりも、車の信号無視の方が過失割合では重い判断となります。車を運転している際は、信号機の指示は絶対に守るべきものであることを今一度認識しておく必要があります。