calculation128_128交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「安全地帯がある横断歩道上の事故(歩行者×直進車)」での過失割合と加算要素と減算要素です。

安全地帯がある横断歩道上の事故(歩行者×直進車)の過失割合

状況

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歩行者直進車歩行者の過失割合
青で横断開始。安全地帯付近で赤青で侵入30%
黄で横断開始。安全地帯付近で赤青で侵入40%

解説

車と歩行者の過失割合では、基本的には車の過失割合の方が高く設定されます。これは、横断歩道上の歩行者の通行を車は妨害してはいけないという法的義務があるからです。

ただし、安全地帯を設けている横断歩道の場合、安全地帯があるため、そこにいれば事故にならなかったという判断になり、比較的横断歩道上の事故としては歩行者の過失割合は高めに設定されています。

途中で信号が赤に変わったときには歩行者の方が安全地帯にとどまらなければならないのです。

横断歩道上の事故(歩行者×直進車)の加算要素と減算要素

加算要素(最大+10%)

  • 夜間
  • 幹線道路
  • 直前直後横断
  • 佇立(しばらくの間立ち止まってしまうこと)
  • 後退

減算要素(最大-20%)

  • 住宅・商店街
  • 児童・高齢者
  • 幼児・身体障害者など
  • 集団横断
  • 車の著しい過失(脇見運転、酒気帯び運転、携帯電話使用、ハンドル・ブレーキの不適切操作、時速15km以上30km未満の速度違反)
  • 車の重過失(居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反)
  • 歩車道の区別なし

まとめ

歩行者対車の横断歩道上の事故の場合は、どのようなケースであれ、過失割合は車が不利になるように設計されています。

ただし、安全地帯がある場合は、歩行者の方が信号が赤になった時に安全地帯にとどまる必要性があるのです。安全地帯が歩行者の安全を守るために儲けられたエリアだからです。