buil3128_128交通事故で当事者間の示談交渉が不成立に終わってしまった場合の解決方法のひとつとして「民事訴訟」というものがあります。今回は交通事故を民事訴訟によって解決する方法について解説します。

民事訴訟(通常訴訟)とは

訴訟とは

裁判所に訴えて、権利・義務の法律的確定を求めること

を言います。

訴訟には、民事訴訟と刑事訴訟があり、個人間の私権に関する紛争を解決するのが「民事訴訟」です。

交通事故の損害賠償請求の場合

民事訴訟には

  • 少額訴訟
  • 通常訴訟

があります。

少額訴訟は60万円以下の損害賠償請求にしか対応できないため、交通事故の損害賠償請求の場合には、通常訴訟を選択されることが多いのです。

訴訟を起こすための手続き

訴状の提出

訴訟を起こすには、裁判所に訴状を提出する必要があります。

記載する内容は

  • 損害賠償請求をする被害者(原告)の希望する損害賠償額
  • 事故の内容
  • 損害額
    ・・・

で、記載した書面を、裁判所と相手方(被告)の人数分作成して、収入印紙を貼り裁判所に提出します。

提出する裁判所は

  • 140万円以下 → 簡易裁判所
  • それを超える場合 → 地方裁判所

になり、被害者(原告)、加害者(被告)、事故現場の住所を管轄する裁判所に提出します。

審理の流れ

裁判官等が取調べを行って、事実関係・法律関係等を明らかにすることを「審理」と言います。

1.訴状の提出

2.双方へ口頭弁論の期日が指定された呼び出し状の送付

3.第1回口頭弁論

  • 原告:原告訴状の陳述
  • 被告:被告答弁書の陳述、被告の認否・反論

4.第2回口頭弁論

2回目以降の口頭弁論は言い分が出し尽くされるまで繰り返されます。

裁判所

  • 証拠調べ
  • 書類の取り調べ
  • 証人尋問
  • 現場検証

原告・被告

  • 証拠の提出、説明
  • 争点の整理、確認
  • 準備書面の提出、陳述、訂正、追加
  • 主張事実の説明、細く、相手の主張に対する応答
  • 証人や現場検証の申請

5.裁判所からの和解勧告

審理が進んで、ある程度の結果が見えてきた段階で、裁判所から話し合いによる解決「和解勧告」を受けることがあります。

  • 和解が成立すれば裁判は終了します。
  • 和解できない場合には審理が継続されます。

6.最終弁論

  • 結審
  • 弁論終結

7.判決の言い渡し

民事訴訟(通常訴訟)の注意点

被告(加害者)が欠席した場合には、原告側(被害者)の勝訴

被告(加害者)が第1回口頭弁論期日に答弁書を提出せずに欠席した場合には、原告側(被害者)の主張を全面的に受け入れたと半出され、原告側(被害者)の勝訴となります。

訴訟は自分だけでもできるが、現実的ではない

訴訟というのは、弁護士を立てずに本人だけで行うこともできます。「本人訴訟」といいます。

しかし、裁判を有利に進めるためには、それなりのノウハウと経験を持った弁護士に依頼する方が確実であるのは間違えありません。

とくに交通事故の損害賠償請求の場合、交通事故の損害賠償請求に強い弁護士事務所であれば、数千件の実務経験をしていることも多く、裁判でも有利になるケースが多いのです。

費用も成功報酬の弁護士事務所がほとんどですので「自分でやる」という選択はせずに交通事故に強い弁護士事務所に依頼することをおすすめします。

交通事故に強い弁護士事務