note2128_128交通事故が発生して、警察に連絡してから警察が到着すると行われるのが「実況見分」です。刑事ドラマなどではよく出てくるワードですが、この実況見分で注意しなければならないポイントを解説します。

実況見分とは

実況見分とは「事故がどのような原因で発生して、どうなったか?」を記録する作業です。

実況見分は事故発生直後に当事者立ち合いのもので行われます。

このときに作成する調書のことを実況見分調書と言います。

実況見分調書の内容

  • 事故発生時の日時
  • 事故発生の場所
  • 事故発生時の天候
  • 被害者の氏名
  • 加害者の氏名
  • 目撃者の氏名
  • 事故発生時の交通量
  • 事故発生時の路面状況
  • 事故発生時の加害者車両と被害者・被害者車両の位置関係
  • 事故車両のナンバー
  • 事故車両の損害状況
  • 現場見取り図
  • 写真

実況見分調書ができたら、これをもとに「供述調書」が取られます。

被害者、加害者の供述を事情聴取の上、被害者、加害者に同意を取り、署名・押印して「供述調書」が成立します。

「供述調書」や警察から検察庁へ送られ、検察庁はこの「供述調書」を元に起訴、不起訴の判断をするのです。

実況見分と供述調書の作成時の注意点

1.警察が来るまでは現場を保存する

  • 被害者のケガや病気への対応
  • 2次災害を防ぐための対応

が終わったら、後は現場を保存する必要があります。悪質な加害者の場合、事故発生の原因を隠すために痕跡を消そうとするかもしれません。

このような動きがないように目を光らせておく必要があります。

2.自分の主張を強く述べる

ここで作成された「供述調書」は、今後の過失判定でも大きな意味を持つ証拠になります。

過失判定はこの「実況見分調書」「供述調書」を元に判断されるのです。

過失割合が変わってくれば、要求できる損害賠償額(慰謝料)の金額が大きく変わってきます。

つまり、「供述調書」を作成する段階で、加害者の過失が大きいと感じたのであれば、声を大にして主張する必要があります。

3.「供述調書」は後で訂正するのは困難

一度、「供述調書」が認められてしまうと後から訂正するのはかなりの困難を伴います。

「供述調書」は最終的に被害者、加害者に同意を取り、署名・押印して成立するものなので、納得がいかないのであれば、安易に署名・押印せずに「何が違うのか?」きちんと警察官に説明して訂正を求める必要があります。

訂正に応じてもらえないのであれば、署名・押印を拒否することもできるのです。

まとめ

事故発生後の実況見分、供述調書は今後の示談交渉・損害賠償請求を左右する重要なものです。

  1. 警察が来るまでは現場を保存する
  2. 自分の主張を強く述べる
  3. 「供述調書」の内容に納得がいかない場合は訂正を依頼する
  4. 訂正に応じてもらえない場合は署名・押印を拒否する

という注意点を理解しておく必要があります。

事故発生直後は冷静さを失ってしまうものですが、できるだけ冷静に、今後への影響も考えて上記の点を気をつけて行動することが必要になります。