calculation128_128交通事故の損賠賠償(慰謝料請求)で、請求できる項目というのは事故の形態によって異なります。示談交渉の前提条件として、どのような被害・損害に対して、どのような損害賠償が請求できるのか?しっておくことは非常に重要なことなのです。

交通事故の損害は3種類に分類される

交通事故の損害は以下に挙げる3つの損害に分類されます。

1.積極損害

交通事故が発生したことで被害者が出費を余儀なくされた損害のこと。

例、治療費用、看護費用、通院交通費、入院雑費、葬儀費用・・・

交通事故が起きたことによって、支払わざるを得なかった費用がこの「積極損害」に該当します。実際に支出した費用と考えましょう。

2.消極損害

本来得られるべき収入が交通事故によって得られなくなってしまった損害のこと。

例、休業損害、逸失利益・・・

本来、働き続ければ得られた収入がケガによって休業しなければならず、一部しか収入を得られなかったという場合に、休業損害が発生したことになります。店舗を経営している自営業者や車を仕事に使う方の場合は、営業損害なども含まれます。

3.慰謝料

精神的・肉体的苦痛に対して支払われる損害のこと。

慰謝料は損害賠償の中でも、交通事故による精神的な損害に対して支払われるものです。慰謝料は交通事故に遭った本人だけでなく、遺族に対しても支払われる可能性があります。また、慰謝料の金額は入院期間・通院期間によっても左右されます。

交通事故の事故形態別の損害賠償で請求できる損害一覧

事故形態 損害種類 損害の例
傷害事故 積極損害 治療関係費
付き添い看護費
通院交通費
入院雑費
義肢などの装具費用
診断書の発行費用
など
消極損害 休業損害
慰謝料 傷害慰謝料
後遺障害事故 積極損害 将来の治療関係費
付き添い看護費
家屋などの改造費
義肢などの装具費用
など
消極損害 後遺障害による逸失利益
慰謝料 後遺障害慰謝料
死亡事故 積極損害 治療関係費
葬儀関係費
義肢などの装具費用
など
消極損害 逸失利益
慰謝料 死亡慰謝料
物損事故 積極損害 修理費
評価損(格落ち損)
代車使用料
買い替え諸経費
消極損害 休業損害
慰謝料

注意事項

被害者に過失があった場合には、その過失割合によって損害賠償額は減額されてしまいます。
訴訟になった場合には、弁護士費用も請求できます。

まとめ

事故形態によって請求できる損害賠償というのは異なります。

示談交渉をスムーズに進めるためにも、自分がどの損害賠償を請求できる権利があるのか?理解しておくことが必要です。