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示談交渉は加害者側が自動車保険(任意保険)に加入している場合は、ほとんどのケースで保険会社の示談交渉専門の担当者が連絡してきてくれて、示談交渉をすすめることになります。しかし、中には自賠責保険しか入っていない加害者など「示談交渉に応じない」「連絡が取れない」というケースもあるのです。今回は示談交渉で加害者側が示談交渉に応じてくれない場合の対策について解説します。
すべきことは「内容証明郵便」の送付
加害者が
連絡をしても返答がない
示談交渉に応じてくれない
という場合には「内容証明郵便」を利用します。
内容証明郵便とは
「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか?」ということを郵便局(郵便事業株式会社)が公的に証明してくれる郵便のこと
で、裁判でも立派な証拠として採用されるものです。
内容証明郵便で損害賠償請求をするのです。
「○月末日までに損害賠償金として○○円の支払いを請求します。
本書面到達後○日以内に返事がない場合は法的手段に訴えます。」
という内容の書面を送るのです。普通の間隔の人であれば、「法的手段に訴える」と言われれば、ある程度びびって、連絡が来るものですが、それでも音沙汰がない場合には書面の通り裁判に持ち込めばよいのです。
内容証明郵便がない場合には
加害者が「そんなこと聞いていない。」と主張したら、それを証明することはできません。
内容証明郵便があれば
いつ損害賠償請求をしたかの証拠があるため、優位に裁判を進めることができるのです。
「内容証明郵便」の作り方
内容証明郵便のテンプレートはこんな感じになります。
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(書面の送付)年月日
加害者名と加害者住所
被害者名と被害者住所損害賠償請求書
私は、平成○年○月○日午後○時○分頃、○県○市○町丁目交差点で、貴殿が運転する普通乗用自動車に追突されました。
この追突事故は貴殿の脇見運転により発生したものです。この事故により私が所有する普通乗用自動車は破損し、下記のとおり合計金額○○万円の損害を被りました。
記
一、修理費 金○○○○円
二、代車料 金○○○○円
三、休車損害 金○○○○円
四、慰謝料(特別な場合には認められることもあります) 金○○○○円貴殿には損害賠償の責任があります。
そこで、本書面到達後〇日間以内に損害金全額○○万円をお支払い下さるよう請求いたします。もしこの期間内にお支払いなき場合には、法的手段をとらざるを得ませんのでご了承ください。
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これを3部作成し、
- 1部は加害者に送付
- 1部は郵便局で保管
- 1部は被害者が保管
します。
「内容証明郵便」送付の注意点
専門家である弁護士に相談すべき
内容証明郵便は連絡が取れないからといって、一回の連絡で次の日に送付すれば良いと言うものではありません。
相手がただ不在だっただけの場合には、本来示談がスムーズにできたものが、関係性がこじれてしまうからです。
- 内容証明郵便での損害賠償請求の金額の算出
- 内容証明郵便の損害賠償請求の文面の作成・確認
- 内容証明郵便を送る時期の決定
など専門家である弁護士に相談するのが確実な方法と言えます。
内容証明郵便送付後は6か月経過すると時効になってしまう!
内容証明郵便を送付して6か月間裁判をしなければ、逆に時効が成立してしまいます。内容証明郵便を送ったら、期日までに返事がない場合は速やかに裁判をする必要があるのです。
内容証明郵便送付後も示談に応じない場合の対策
交通事故紛争処理センターへ相談する
交通事故紛争処理センターは和解の仲介をしてくれます。交通事故紛争処理センターにも所属の弁護士がいるので、アドバイスを受けることも可能です。
和解を希望しない場合は裁判をする
和解を希望しない場合には、裁判所に調停・訴訟の申し立てを行い、裁判をすることになります。このタイミングでも弁護士の力は必要不可欠です。
まとめ
加害者が示談交渉に応じたない、連絡が取れない場合には、内容証明郵便による損害賠償請求が有効な方法となります。
ただし、送付の内容、時期、賠償額の算定、訴訟など弁護士の力を借りなければできないことも多いのが実情です。
連絡が取れない場合はまず弁護士に相談することをおすすめします。