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交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「歩行者専用道路の歩行者×歩行者専用道路へ侵入した車」での過失割合と加算要素と減算要素です。
歩行者専用道路の歩行者×歩行者専用道路へ侵入した車の過失割合
状況
歩行者 | 車 | 歩行者の過失割合 |
---|---|---|
歩行者専用道路を通行 | 歩行者専用道路へ侵入 | 0% |
解説
歩行者専用道路は、歩行者による移動の安全性確保を目的とした道路のことです。歩行者道とも言います。
道路交通法では
「歩行者の通行の安全と円滑を図るため車両の通行を禁止する」
とされている通りで、一般の車両は歩行者専用道路には入れないのです。一部、緊急用の車両や警察署長の許可を得た車両のみ侵入することが可能です。
通常は入れない歩行者専用道路に侵入して事故を起こした場合、歩行者の過失割合というのは当然ありませんので、0%となるのです。
歩行者の過失割合が加算されるケースというのは、侵入を許可された車両の前に飛び出したり、ふらふら歩いたりする行為が事故の原因となったケースです。
歩行者専用道路の歩行者×歩行者専用道路へ侵入した車の加算要素と減算要素
加算要素(最大+10%)
- ふらふら歩き(許可された車両の場合)
減算要素(最大-10%)
- 児童・高齢者
- 幼児・身体障害者など
- 集団横断
- 車の著しい過失(脇見運転、酒気帯び運転、携帯電話使用、ハンドル・ブレーキの不適切操作、時速15km以上30km未満の速度違反)
- 車の重過失(居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反)
まとめ
歩行者専用道路へ一般の車が侵入して事故を起こした場合には、100%車側の過失ということになります。
安全を確保された歩行者専用道路では、歩行者の安全が守られるべきだからです。