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交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「車道通行が許された歩行者×車」での過失割合と加算要素と減算要素です。
車道通行が許された歩行者×車の過失割合
状況
歩行者 | 車 | 歩行者の過失割合 |
---|---|---|
車道通行が許された歩行者 | 車道通行 | 0% |
解説
何もない状況では、歩道があれば歩行者は歩道を歩かなければなりません。
しかし、歩道が工事や土砂崩れ、堆積土などで通行できないケースがあります。この場合のみ歩行者には車道の通行が認められているのです。通行できるのは車道の端から1m程度であり、十分な注意義務が発生します。
何もない状態で歩行者が車道を通行し、事故が起きた場合には歩行者の過失割合は20~25程度ですが、歩道が通行できない場合に車道を通行したケースでは過失割合は10程度に抑えられるのです。
歩行者の過失割合が0でないのは、車道通行が認められたとしても、このケースでは十分な注意義務が発生するからです。
一般的に工事などの人為的なものであれば、歩行者通行用の仮設の通路が用意されているので工事業者側が安全管理を行ってくれるため事故に遭うケースはそれほどありませんが、土砂崩れなど急きょ歩道が取れなくなってしまう状況などで注意が必要です。
車道通行が許された歩行者×車の加算要素と減算要素
加算要素(最大+5%)
- 夜間
- 幹線道路
- ふらふら歩き(許可された車両の場合)
減算要素(最大-10%)
- 児童・高齢者
- 幼児・身体障害者など
- 集団横断
- 車の著しい過失(脇見運転、酒気帯び運転、携帯電話使用、ハンドル・ブレーキの不適切操作、時速15km以上30km未満の速度違反)
- 車の重過失(居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反)
まとめ
車道通行が認められるケースがあったとしても、車道での事故に関しては歩行者の過失もあると判断されます。歩行者が車道に出る場合には、十分な注意、安全管理が必要になるのです。
小学生の集団横断など車側が確認しやすい状態での車道での事故に関しては、10%程度の減算が認められるケースが多いようです。