calculation128_128交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「車道を歩行する歩行者×車」での過失割合と加算要素と減算要素です。

歩道のない車道の中央を歩行する歩行者×直進車の過失割合

状況

歩行者歩行者の過失割合
幅8m以上の道路の中央部分を歩行する歩行者直進車20%
幅8m以下でも端から1m~3m部分を歩行する歩行者直進車10%

解説

幅8m以上の道路の中央部分の事故では、歩行者の過失割合が大きくなります。正面からの事故でも、背面からの事故でも同様です。

幅8m以下であっても、道路の端から1m~3m部分を歩行する歩行者が起こした事故の場合も、歩行者の過失割合が発生します。

両者を比較すると、幅の大きな道路中央での事故の方が歩行者の過失割合が大きくなります。

道路幅が大きくなればなるほど、車側も歩行者がいると思わずに運転してしまうからです。当然、スピードも速くなってしまいます。

また、歩道がない道路の端を歩行していた場合と比較しても、中央部分を歩行していた場合の事故の過失割合は大きく設定されています。

これは道路中央部を歩行者がわざわざ歩行する理由がないからです。歩道がないなら端を歩かなければならないのです。

歩道のない車道の中央を歩行する歩行者×直進車の加算要素と減算要素

加算要素(最大+20%)

  • 夜間
  • 幹線道路
  • ふらふら歩き(許可された車両の場合)

減算要素(最大-10%)

  • 住宅・商店街
  • 児童・高齢者
  • 幼児・身体障害者など
  • 集団横断
  • 車の著しい過失(脇見運転、酒気帯び運転、携帯電話使用、ハンドル・ブレーキの不適切操作、時速15km以上30km未満の速度違反)
  • 車の重過失(居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反)

まとめ

歩車道の区別がない道路では、歩行者は車道を歩かざるを得ません。ただし、この場合には右側通行で道路の端を歩くことが原則となっています。

中央部での事故の場合は、道路端での事故と比較して歩行者の過失割合が多きなるのです。また、道路幅が大きいほど歩行者の過失割合がが大きくなる傾向があります。