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交通事故の過失相殺の基準となる過失割合とその加算要素と減算要素を解説します。今回は「車道横断中の歩行者×後退車 」での過失割合と加算要素と減算要素です。
車道横断中の歩行者×後退車の過失割合
状況
歩行者 | 車 | 歩行者の過失割合 |
---|---|---|
直後横断 | 後退車 | 20% |
上記以外 | 後退車 | 5% |
解説
車が後退している中で歩行者が車道を横断して、事故に遭ってしまった場合、歩行者にも過失割合が発生します。
後退している車であっても、注意すべきことではありますが、前よりも後ろの方が確認しにくいことが前提ですので、歩行者側の過失も認められるのです。
また、歩行者の過失割合は「直後横断か?直後横断ではないか?」で大きく変わってきます。
上記の図で説明すると左側が「直後横断」、右側が「直後横断ではない」ことになります。
明確な基準はないものの、車が後退している直後に歩行者が入ってきてしまうと、視野が狭い後退している車側が確認できないのも仕方がないと考えられているのです。
そのため、直後横断では過失割合が20%で、それ以外では過失割合が5%とかなり過失割合に差があるのです。
車道横断中の歩行者×後退車の加算要素と減算要素
加算要素(最大+10%)
- 夜間
- 歩車道の区別のある道路
- 後退警告
減算要素(最大-20%
- 住宅・商店街
- 児童・高齢者
- 幼児・身体障害者
- 後退開始前に後方に佇立
- 車の著しい過失(脇見運転、酒気帯び運転、携帯電話使用、ハンドル・ブレーキの不適切操作、時速15km以上30km未満の速度違反)
- 車の重過失(居眠り運転、酒酔い運転、無免許運転、時速30km以上の速度違反)
まとめ
夜間や歩車道の区別のある道路、バックブザーや後退警告などで後退している車と歩行者が事故を起こした場合には、歩行者の過失割合は加算される可能性が高くなります。
一方で住宅・商店街や車の著しい過失、車の重過失、後退にふさわしくないスピードでの運転をしていた場合には歩行者の過失割合は減算される可能性が高くなります。